「まんが松尾芭蕉の更科紀行」で観月の名所日本一に馳す

胃がん退職者

2008年09月15日 21:13



「まんが松尾芭蕉の更科紀行」 発行・さらしな堂 発売・河出書房新社
(定価1680円・税込 長野県内&全国主要書店・ネット書店で発売中)



古より観月の名所と名高い更級(さらしな)の里・姨捨(おばすて 現在の長野県千曲市)は、幾多の和歌や俳句の題材とも成ってきました。その中にあってあの有名な松尾芭蕉が、「奥の細道」に旅立つ前年の1688年に、姨捨山の観月を目的に彼の地を訪れて、それを「更科紀行」として世に問うていたことは、「奥の細道」が余りにも有名なためか、その陰に隠れてしまっている感があります。


ご自身の出身地であるこの更級姨捨の研究者で、出版の「さらしな堂」代表の大谷義邦さんが、「まんが紀行 奥の細道」で日本漫画家協会賞特別賞を受賞された漫画家・絵本作家 すずき大和さんと組んで、改めてこの紀行の価値と芭蕉の思いに大変分かりやすく迫ったのが「まんが松尾芭蕉の更科紀行」です。後書きで大谷さんは、芭蕉は更科に旅したからこそ、「奥の細道」を自信を持って世に送り出せたのではないかとも指摘されています。
なお私の勤務する(株)渋谷文泉閣も、印刷・製本で大谷義邦さんの思いの実現に、ささやかではありますがお手伝いさせていただきました。


実は月・姨捨伝説・棚田で、人の心にものの哀れを見事に誘うこの更級の里・姨捨の地、現代でもそれは変わらずのようです。
この9月6日の日経朝刊土曜別刷・日経プラス1でも、この地が観月の名所日本1に選定されました。(中秋の名月に合わせて9月13日から15日、第25回信州さらしな・おばすて観月祭が開催されました)



姨捨棚田



観月の名所長楽寺入口に立つ芭蕉翁面影塚 ここで詠んだといわれる芭蕉の俳句
「俤(おもかげ)や姨(おば)ひとりなく月の友」が刻まれています。



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