2008年04月27日
掛かり付け農家・農園・農場・産直市場というこれからの考え方

来場者が絶えない「産直のワンダーランド」、伊那市の産直市場グリーンファーム

伊那市の産直市場グリーンファームより南アルプスを望む
「掛かり付け農家・農園・農場・産直市場」というと、医者や病院では有るまいし、「行き付け」の間違いではないかと思われるかもしれません。実際にこのような使い方をしている例は、私が知る限り有りません。でも最近の私たちを取り巻く環境と今後を考えると、医療と同様、「農業」に関して、私はこの様にあえて言いたいのです。その理由は、
1,安心・安全な食料を確実に確保するには、安心・安全な食料を生産する農家と直接コンタクトする必要がある。
2,1をもう一歩進めて、安心・安全な食料を確実に確保するために、自ら農産物の生産に乗り出す場合、何でも気軽に相談したり指導してもらうことができる先生役の農家・お百姓さんが絶対必要だ。それは趣味と実益を兼ねて家庭菜園や市民菜園をやる場合でも同じ。
3,1に関連するが、安心・安全な食料の質だけではなく、量的な意味でも、食糧危機を迎えるかもしれない今後は、食料の調達・確保のために、日頃から農家と太いパイプやコネクションを築いておく必要がある。
以上の件から私は、もはや「行き付け」ではなく、これは「掛かり付け」とするにふさわしいと考えます。
3の状況は、親からしか聞いたことがない昭和30年生まれの私など、今や日本人の大多数にとって未経験の、戦中や戦後の食糧不足の状況に似て、正直な気持ち、成ってもらいたくはないのです。しかし最近の世界や日本を取り巻く状況を考えれば、そこまではひどくは成らないかもしれませんが、日本が金にまかせて、現在のような世界の果てからも高い燃料費を掛けて高級食材を輸入して、誰もがそれを安価でふんだんに享受できる時代は、まもなく終わるのではないでしょうか。
そして更に問題は「消費者側からいくらラブコ-ルを送っても、農家側がそれに呼応してくれなければそれは意味を成さない」のであり、それを克服するには、日頃から消費者の立場に感心のある積極的な農家を見つけて、コミュニケーションを取る努力をすることと、消費者側としても農家に要求するだけではなく、ギブアンドテイク、自分が農家や日本の農業に何を提供できるかを考えて、熱意を持って当たるしかないでしょう。
その時慌てないためにも。
追伸
その後、福井県 小浜市の橋本ファームさんがHP上の2003年6月11日のブログで、「掛かり付け農家」と使用しているのを発見しました。
2008年04月21日
第二の人生は信州・小布施で!都会人の情熱に地元宅建業者が感銘

栗菓子店や造り酒屋が軒を連ねる信州・小布施町のメインストリート

信州・小布施と言ったら、なんと言っても葛飾北斎(写真は北斎館正面)
長野県の北部に位置する県都長野市の北東部に、千曲川を隔てて隣接する小布施町は、面積は大変小さな町ですが、今や全国でも有名な、何でこんな処にこんなに多いのかと誰もが驚く栗菓子店や造り酒屋をはじめとした歴史を感じさせる商店街の町並みと、りんごなどの果樹を中心とした田園風景とのバランスが絶妙で、住民が自ら力を合わせて地域起こしを行った結果が実った大変魅力に溢れた町です。
県外からの移住希望も多いと聞きますが、優良農地が多い事や住民の地元への愛着心が強いので、宅地や中古住宅物件は薄いそうです。
そんな中で60歳代の東京に住む都市住民が、「第二の人生は是非信州・小布施に住みたい」とその夢の実現に情熱を燃やし、地元宅建業者さんがそれに感銘してお手伝いすることで、一歩を踏み出したという例を聞きました。
ミニ開発を許さない町当局の意向もあり、平均100坪前後と大きい面積の地元向けの宅地分譲地だったそうですが、ネットで以前から継続的に長野市近辺の不動産情報をウォッチしていたその方の目に留まり、現地を早速見学。北信五岳が正面に望めるそのロケーションにもぞっこんで、地元宅建業者さんに自分の思いの丈を熱く語ったそうです。そして地元向けと決めていたその業者さんも最初はびっくりしたそうですが、最後には根負けし見事契約と相成ったとの事。
今までは県外からの移住者のことを全く想定していない地元不動産・宅建業者さん、これからは大いにあり得る話ですよ。
(株)長野ジャシイHP
http://www.naganojassi.co.jp/
2008年04月14日
「酒蔵で訪ねる信州」本で「信州は隠れた地酒の宝庫」を知る

このほど地元信濃毎日新聞社出版部より、信州の地酒蔵元87軒を紹介する「酒蔵で訪ねる信州」(A5判並製,232P、1680円・税込)という単行本が発刊されました。たまたま私の親友がこの本にも掲載されていますが、別所温泉で有名な「信州の鎌倉」と言われる上田市の塩田平で、「月吉野」という銘柄の小さな蔵元を頑張って営んでいるので、大変身近に感じられました。
信濃毎日新聞社出版部HP
https://info.shinmai.co.jp/book/
「月吉野」(若林醸造)
http://www.nagano-sake.com/shi/kur/ueda/ue_waka_05.html
この本で100近い蔵元が存在する信州は、実は酒蔵数では酒どころと言われる兵庫県、新潟県に次ぐ隠れた地酒の宝庫ということも知りました。やはり水と空気そして清酒の製造に適した、長野県で生まれた「美山錦」などの旨い酒米の存在が大きいのでしょう。
ただ最近では飲酒運転に対する厳罰化や、日本人の清酒離れと言うこともあって、日本酒の酒蔵では焼酎やジュースなど清酒以外の製造や、日本食ブームの外国に清酒を輸出する事で生き残りを懸ける所もあるようです。日本酒の歴史は日本の文化の一端を担ってきたと言っても過言ではありません。信州では伝統を重んじつつも、さらに新しい清酒造りに挑戦する若い蔵元経営者も育ってきていると聞きます。今後に期待したいと思います。
2008年04月13日
冷蔵庫の故障で感じた、時代が求める「修理」のある暮らし


最初に、先日このブログを見てメールを頂いた方に連絡とお詫びいたします。
読者登録もしていただいたそうでありがとうございます。お礼を返信しようと思っていたのですが、誤って頂いたメールを削除してしまい、返信できなくなってしまいました。誠にすみません。お手数ですが、もう一度送って頂けませんでしょうか。よろしくお願いいたします。
さて本題に入りますが、先日我が家のサブの小型冷蔵庫が故障してしまいました。恐らく中枢のモーターかコンプレッサーが壊れてしまったと思われます。新品は安いものだと3万円位から有るようですが、それでもまだ修理した方が安いかなあと思ったのと(金額はまだ分かりません)、廃品で出してしまうとただの大きな箱で、処分にコストや処分場のスペースを潰すと思い、悩んだ末修理に出すことにしました。そしてハタと気が付きました。昭和30年生まれである私の子どもの頃は、品物が今ほど豊富で安くなく、何でも修理するのが当たり前だったことに。また各種の修理屋さんがいたんですね。電気屋さんは電気製品の修理が出来て当たり前、時計屋さんは修理や調整の上手なお店が繁盛していたし、傘の修理や、今ではほとんど聞かない鍋やヤカンの穴あきを直してくれる鋳掛けや(いかけや)さんとか色々な修理の職人さんが身近にいました。
その後高度経済成長と共に使い捨ての時代が来て、修理屋さんもそれに伴って消えていってしまいました。
でもこれからは今のような何でも使い捨ての時代が、いつまでも続かないかもしれません。なぜなら世界的な資源の枯渇と、日本の国力(経済力)が相対的に低下して、誠に残念なのかもしれませんが、今ほどには安価で大量な物資や製品を輸入できなくなる恐れが多分にあると私は思うからです。
一部の裕福な層と最貧困層の間に、高度経済成長を牽引した貪欲な物欲エネルギーを内在させた大量の中産階層の代わりに出現すると思われる、多数の「中の下か下の上」程度の新中産階層に取っては、使い捨て文化は通用しないでしょう。
「時代は『修理』のある暮らしを求めている」と言えるのではないでしょうか。