2008年01月13日
老後住むのは地方か都会かで「おひとりさまの老後」を読む

上野千鶴子(東京大学大学院教授)著 法研刊
もう一昨年になってしまうのですが、平成18年11月17日、長野駅前平安堂書店長野店で行われた平安堂カフェゼミナールが、大町市在住の地域社会研究家、扇田孝之さんのコーディネート、上野教授がゲストで「生きる場としての『都会・田舎』」というテーマで開催されたのを聴講する機会がありました。それまで私は名前を知っている程度で、上野教授の著作はほとんど読んだことが有りませんでした。「私は車を運転していても高速で150キロは出す」と上野教授が言われたので、失礼ながら還暦も近いというのに、ずいぶん勇ましい女性だなあと感じたのを覚えています(後で知り合いに聞いたら、日本を代表するフェミニストの一人で大変な論客でした)。
またその時盛んに「今介護について研究していて全国各地を取材で回っている」とも言われていました。今になってみるとその研究が今回のベストセラー「おひとりさまの老後」につながったと言うことでしょう。それで今回私も出張の新幹線の中で読んでみました。昨年7月発刊で既に22刷りです。内容はいたってまともで易しく、またそれほど勇ましくもありません。
平安堂カフェゼミでは「都会と田舎で老後はどちらが暮らしやすいか」との参加者の問いに、確か上野教授は「大都会は老後に向いているとはいえない、しかし田舎過ぎても問題がある、でどこが良いかと言われると、都会の暮らしやすさを兼ね備えた地方主要都市に暮らすのが老後は良いのでは」と答えられたと記憶しております。この本の中でははっきり断定はされていませんが、引っ越し好きで世界のあちこちに住んだ経験もお有りのご自身が八ヶ岳山麓にお住まいのようで、言わずもがなかもしれません。
上野教授がこの本で盛んに指摘されていることは、「今後日本人の長寿化が進むにつれシングルの老人は増える一方、でもそれは当の本人にとってはやり方や準備することで全然怖くはない」ということです。ただ私は老人が集まってくると医療費や介護保険料などが嵩んで、地元にはプラスにならないと信じている自治体関係者が多いので、その認識を改めるべく、老人に優しいところは若い人にとっても魅力で、それで老人も若い人も集まるようなモデル作りが求められていると思います。
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Posted by 胃がん退職者 at 13:59│Comments(2)
│移住
この記事へのコメント
今回のコメントは難しいですね?都会はとにかく便利です、すべてに便利です。地方はとても不便な事が多いと感じます が! 人は無いものねだりをしたがるもの、灯台元暮らし!もう一度人生を、自分の環境を見直す時がそれぞれにあろことを認識する時期と思います。便利を求めて都会は環境も人の心も破壊に走り、地方は多少不便(特に交通)でも環境やお互い様の暖かい心を持っておられる!老後はどちらがいいか?よりどんな方々とどんな楽しい、気楽な、そしてお互い様に助けあえるか?を考慮した地域や考えで接していける地域を選択するべきだと思います。都会暮らしに慣れてしまった人がテレビの大げさな、そして嘘つきな放映を見て田舎暮らしを夢みて田舎暮らしをするようなことはやめてほしいです、なぜか?地方の町や村にはそれなりに長い年月を掛けて作り上げてきた人付き合いのルールがあります、「お互い様」というルールが。今の都会人に一番欠けていることですもし田舎暮らしをしたいなら一番に勉強してもらいたいです。自然を、町や村のルールを、先人様達の心を壊さないように老後は田舎暮らしをしてほしいし、私ももっと勉強します。
Posted by Iターンベン君 at 2008年01月13日 16:14
Iターンベン君さん、コメントありがとうございます。
上野教授は田舎の濃密な干渉や家族のしがらみを嫌って都会に出て、その後日本を代表するフェミニストの闘士として、これまでとんがってきたということを私は感じます。しかしご自身でもおっしゃっていましたが、自分の老年を感じる頃となって、その関心の先が少し変わってきた。自分がやらなければならないこと、行政がやるべきこと、そして何より他者との関係を見直さなければならないことを強く意識したと。何故ならシングルの老人は孤立していたら死んでも誰も気が付かないですから。でもそこで上野教授は言います。田舎の人と都会暮らしをしてきた人とは生きてきた文化が違うのだと。だからどうやら大都会ではないけれど田舎でもなく、介護等々の施策が充実した地域のコーポラクティブ住宅がおすすめのようなのです。でも地域と遮断された状態でうまくいくのでしょうか。育ってきた文化の違いを乗り越える努力も必要と思います。今回はちょっと難しくなってしまいました。
上野教授は田舎の濃密な干渉や家族のしがらみを嫌って都会に出て、その後日本を代表するフェミニストの闘士として、これまでとんがってきたということを私は感じます。しかしご自身でもおっしゃっていましたが、自分の老年を感じる頃となって、その関心の先が少し変わってきた。自分がやらなければならないこと、行政がやるべきこと、そして何より他者との関係を見直さなければならないことを強く意識したと。何故ならシングルの老人は孤立していたら死んでも誰も気が付かないですから。でもそこで上野教授は言います。田舎の人と都会暮らしをしてきた人とは生きてきた文化が違うのだと。だからどうやら大都会ではないけれど田舎でもなく、介護等々の施策が充実した地域のコーポラクティブ住宅がおすすめのようなのです。でも地域と遮断された状態でうまくいくのでしょうか。育ってきた文化の違いを乗り越える努力も必要と思います。今回はちょっと難しくなってしまいました。
Posted by NPO法人信州移住・ふるさと体験研究会事務局・理事 安藤文成
at 2008年01月14日 10:38
