2009年01月04日

「消費者はどこにいる?」3 これからは内需・心・謙虚の時代

「消費者はどこにいる?」3 これからは内需・心・謙虚の時代
長野市と須坂市境界辺りから望む北信五岳の内、左から飯縄山、黒姫山、妙高山(平成20年1月撮影)


さて現状をいくら細かく把握したところで、将来への展望を欠けば余り意味はありません。私には「神のみぞ知る」事柄にとやかく言える資格は有りませんが、今後の自分の行動を決める意味において、必要な限りで一応の仮説を立ててみたいと思います。従ってあくまで私個人の見解として、「こんな考え方も有るんだ」程度に思っていただけたら幸いです。


アメリカ発の世界大不況とそれに付随して引き起こされた円高で、今後しばらく日本は、世界の特にアメリカの消費を当てにすることは出来ないでしょう。従って日本の内需(有効需要)を盛んにすることが最も肝心だと思います。今までおろそかにされて来た内需産業の活性化と消費の喚起が急務です。医療や介護などの福祉、建設・土木、環境技術、教育、出版、観光(国内)、食品、農業等。
建設・土木と言っても従来型の箱物や道路をどんどん造るというのではなく、今重大な問題と成りつつある、老朽化した学校など既存建築物や橋など構造物の耐震構造化や補修、道路の電線地中化などへの思い切った施策です。更に環境適応はあらゆる産業の将来の浮沈が掛かっていると言っても過言ではないでしょう。更に農業は多くの識者が最近指摘しているように、我が国の現状で40%しかない食糧自給率を高める必要上、及び雇用の受け皿としても最も有望な成長分野と言えると思います。(先進諸国で食料自給率が日本ぐらい低い国は有りません。今後深刻化すると思われる食糧不足、及び低経済成長下で国民の食料を過度に他国に依存することは大変危険です)


次に心の問題です。アメリカのバブルが弾けるまでは、「オオカミ少年の喩え」のように、「いつか来るぞ来るぞ」と言われて不安でびくびくしていたのが、考え様によってはもう既に来てしまったのですから、もちろん更に悪くなると言うことも否定は出来ませんが、いずれにしてももはや「腹をくくって行くしかない」のは間違い有りません。「こうなったからには腹が据わって色々なことに取り組める」と考えたら良いのではありませんか。


そして最後は低成長下では特に、「自分だけ良ければ良い」との「弱肉強食」的単純な資本主義的道理は、考え直す必要が有りそうです。これからはわずかな儲けをみんなで分かち合う「謙虚」な態度が必要だと思います。結局自社の利益だけを考えて、派遣労働者などを増やしてきた結果、企業の業績はかつて無いほどに上がったと思った途端、日本に健全優良な消費者が少なくなっていた反動で消費が落ち込み、自分たちの首を絞めるようになってしまったのがその典型です。そして働く側にも例えばワークシェアリングなど、仕事をみんなで分かち合う仕組みが早急に必要だと思います。この辺は政治が解決しなければいけないことなのかもしれませんが、政治に丸投げしても解決はしないでしょう。「自分だけではなくどうしたら他人にも良くなってもらうか」「他人が良くなると自分も良くなるという発想」、一人一人が自分の問題と考え行動することが肝要だと思います。


人間の究極の目標は、「ロボットにみんなやらせて人間は遊んで暮らすことでしょうか?」。私は今回の世界同時不況で、今将に「人間の在りようを再構築する必要に迫られている」気がしてなりません。


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Posted by 胃がん退職者 at 00:11│Comments(0)環境・食と農
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