2008年01月05日

長野市は観光地か観光地でないか?

長野市は観光地か観光地でないか?
1月5日(土)AM8:50薄曇り 善光寺本堂前にて


さて新年のやはり地元ローカルラジオ放送で、出演していた長野市のある有識者が「長野市の中心市街地の活性化に何が必要か」との司会者の問いに、「地元以外の人はいつ来てくれるか当てに出来ない、(計算できないということ?)だから地元以外の人は当てにしないで、地元の人に回数足を運んでもらう事を考えるべきだ」と発言していました。この意見は説得力を持つように思わせます。しかし全く間違っているとは言いませんが、私は本質的な解決策には成らないと考えます。


確かに地元以外の方、特に昔ながらの観光客などは、十年に一回かひょっとしたら一生に一回の、それも大型観光バスに乗って善光寺裏からお参りしたらそそくさに去っていくというイメージが強いのでしょう。そんな虚ろな人たちを相手にするなということなのかもしれません。しかし今はバブルが弾けて以降、ネット社会の進展も相まって観光の主流は完全に団体旅行ではなくなって、個人または小グループ主体になっています。これは観光関係に携わる関係者が皆異口同音に指摘しているところです。


個人や小グループ主体の観光客の行動とはどんなものでしょう。それは団体旅行と違って一般的には時間に余裕があり、旅先でのサプライズいわば‘未知との遭遇’を楽しみたいものでもあるのです。例えば思いがけないおいしい食事・お店・人との出会いなど、ガイドブックに載っていない掘り出し物・店を見つける楽しさなんていうのはその典型です。先程の発言者は、そこの所をわかっていない。それに地元だけでお金や人材を回していたらどんどん目減りするだけですよ。


また長野市はそんなに観光客の来ないところでしょうか。長野市には平成18年、善光寺を中心に延べ約955万人の観光客(地元客も含む)が訪れて、それによって約389億円が消費されています(長野県観光部資料より)。これを小さいと見るべきか大きいと見るべきか。それらの人たちを呼び込む努力は必要ないのでしょうか。地元では魅力的なところが出現すればすぐ広まりますよ。でも地元以外にはそうはいきません。積極的な発信が是非とも必要です。地元以外の人が訪れていいなあと思うところは、地元の人にとってもいいところになりますよ。私はそう思います。地元だけを相手にして地元以外に魅力を発信する努力を怠っていたら、その町は必ず活力を失うでしょう。先程の数字もさらに縮小する事間違い無しです。


実はこれと同じ議論が、移住者や各種ふるさと体験・長期滞在対策に関して、自治体関係者から聞く事が出来ます。それは「それら対策を積極的に行うと(例えば移住者に対する助成金や、家賃補助など)、地元住民から『もっと地元住民に為になることで先にやることがあるのではないか、そんなことに使う金があるのなら、その税金を払っている地元住民にもっと還元せよ、道とか学校とか社会福祉や介護とか』言われるから内向きに成らざるを得ない」というようなものが典型です。これも何もしなくても人口が増えていた頃はそれで良かったでしょう。でも今は違います。長野県内では唯一軽井沢町を除いては、人口減少の危機に瀕しており、人口減少を食い止め活力を維持するためにも積極策が絶対に必要です。それなくしては現状維持すらもおぼつかないというのが真実です。


要は「これからは内向きだけでは絶対やっていけない」というのが私の結論です。



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Posted by 胃がん退職者 at 12:09│Comments(5)信州の話題
この記事へのコメント
 安藤文成様

はじめまして。突然のコメントで恐れ入ります。
トテモ興味深い内容でしたので、書き込みを致しました。
私は群馬県在中のもので、仕事柄、「観光誘客」に個人的に興味があり
「観光大国」の長野県に毎月伺い沢山のことを学んでおります。

私は自身のブログの中で、長野県を「観光大国」と謳っていますが
隣県群馬から見ますと、長野県の「観光資源の豊富」は羨ましい限りです。
しかし、ブログの内容を拝見いたしますと色々と「事情」があるものですね。

群馬県も有数の温泉県ではありますが、
ある温泉でこんな話を聞いた事があります。
「東京、埼玉、神奈川、新潟のお客さんは多いけど なぜか長野からは
来ないんだよ」と。確かに長野県も数多くの温泉がありますから、
わざわざ群馬に観光を兼ねて、温泉には行かないんだろうと思いますが、
不思議な事に群馬県民は長野県に良く伺うようです。
この現象はスキー場でも同じ話しを聞きました。(なぜでしょう?)

取り留めのない話ではありましたが、
これからもブログを楽しみに拝見させていただきます。
Posted by 希望の河希望の河 at 2008年01月05日 12:54
新年明けましておめでとうございます、今年も楽しませていただきますね。昨日,今日のお話はこれから移住田舎暮らしを考えている方には大いに力になる話と思いました、私もIターンを希望しておりますが、希望者と行政との考え方の差があり過ぎることを今回特に感じました、希望者には百人百種の事情がありますが、行政は「何通りかのパターンから選びなさい」と言っているように感じます。あまりこのようなことを述べますとバッシングを受けそうですが?私が思うにはNPOの方々の方が積極的に誘致をしていただいていると感じます、行政はもっと裾野を広げた考えでNPOの方々と協力すれば自然と人は集まってくると思います、団塊の世代にばかり取りつかれ過ぎているように思います。これ以上言ってしまうと本当にいじめられそうなのでやめておきます、情報収集はNPOの方々に、移住地域提供等は行政がバックアップ!これがI.Uターンをうまく叶えるコツではないでしょうか?
Posted by Iターンベン君 at 2008年01月05日 13:15
希望の河 様

あけましておめでとうございます。
以前より隣県群馬の方が大変熱心に、我が信州のことを発信して下さっているなあと、時折ブログを拝見して感心しておりました。このたび私のブログにもコメントを頂き恐縮です。
さて私は本業の仕事上、以前群馬担当でもあったので、良く群馬におじゃまする機会がありました。ある時夏の甲子園で、長野県代表、丸子実業の試合が昼食で入った群馬県内とある大衆食堂のテレビで放映されていました。びっくりしたのは、その時食堂にいたお客さんのほとんど全部が、丸子実業を応援していたことでした。長野県人が多いのかなと最初思いましたが、交わされる言葉は上州弁でしたので、そうではなかったのです。一説によると、あの真田氏が一時期沼田にも所領を持っていたし、武田氏の信州進出に伴って上州勢が広く、特に東信から北信に掛けて移住してきたそうで、そんなこともあって親近感があるかも。いずれにせよ隣県同士ではありますので、仲良くしたいものです。それにしても上州の方は商売上手のようで、ヤマダ電機やベイシアは言うに及ばず、最近では群馬銀行も着々と信州で地歩を固めているのには脱帽です。
Posted by NPO法人信州移住・ふるさと体験研究会事務局・理事  安藤文成NPO法人信州移住・ふるさと体験研究会事務局・理事  安藤文成 at 2008年01月05日 16:21
Iターンベン君 様

あけましておめでとうございます。
行政が移住者にどの程度関与したらいいのかは、確かに大変微妙なものがあります。現実問題として全てが全て移住が成功するとは限らないのですが、万一うまくいかなかったときに、「行政にその責任を転嫁する人もいて困る」と行政の担当者から聞いたことがあります。というかもっと穿った見方をすれば、行政担当者としては、「この通りにすれば良い」と言って、もしうまく行かなかったとき、「責任を追及されるのが困る」というのが本音かもしれません。また例えば信州では大変人気のある「安曇野」では、その多くを占める「安曇野市」が5町村合併して間も無いため、積極的な施策を打ち出せない中で、現実にはどんどん移住者が入ってきて、トラブルも起きているようなのですが、NPOやボランティア団体が行政に代わって、そのトラブル解決や移住者のサポートに活躍しているという例もあります。ちなみに昨年からは松本市が、いわば「安曇野」を代表する形で、移住者へのワンストップサービス窓口を設けその対応に当たり始めました。
今後とも実際今まさにIターンをしようとしている立場での、貴重なご意見をお聞かせ下さい。
Posted by NPO法人信州移住・ふるさと体験研究会事務局・理事  安藤文成NPO法人信州移住・ふるさと体験研究会事務局・理事  安藤文成 at 2008年01月05日 17:00
後記のコメントは行政の方の話す通りとも思います、田舎暮らしを望む方ももっと謙虚にお願いするべきと感じます、今の世の中の風潮が他人に責任を押し付け過ぎると思います、特にこのような案件にはうまくいけば自分をかいかぶり、うまくいかないと行政を責める、だから行政担当者も二の足を踏むのもわかります。生意気のようですが私はNPOの方にも、行政の方にも「お願い」を念頭にいつも会話やメールをさせていただいております、そして「自分でやれることは自分でやる」を心がけております。自分一人ではなにもできませんし協力していただける方々にはいつも感謝の念をもっていなければいけないと思います。自分一人の世の中ではないのですからね、あまりにもマスコミ報道が先走りして行政がなんでもやって当たり前と思わせ過ぎだと思います。行政担当者に文句を言うつもりはないのですが、私たちも考え直すべきと思います、協力して下さる方たちにまずは感謝をしないといけないのでは?
Posted by Iターンベン君 at 2008年01月05日 18:53
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